久々に、シフラ(ジョルジュ)の弾くショパンエチュードのCDを聴いて、
いかに世間の「ショパン像」が歪められているか、と思った。
…世間的には、「いかにシフラがショパン像を歪めているか」と思うのだろうが…。
シフラの演奏でショパンを語るのが間違いなら、ポリーニでも許す。

とにかく、ショパンの曲は超絶技巧なのだ!ショパンは激烈な音楽なのだ!
ノクターン9-2だけがショパンだと思ったら大間違いだ!
ちなみに幻想即興曲だけが速い曲だと思うのも大間違いだ!

…あーでも、私もショパンの曲全部なんて全然聴いてないや。
ショパンを論じるべきじゃないかも…と思ったりもするが、
なにも考えず
「…へー、ピアノやってるんですか。私も好きですよ。ショパンとか」

とか答える人よりは私の方が詳しいということで。

具体的には…なんか一年前ぐらいに、

「ピアノ愛好会なんですよ」
「へー。どんなの弾くんですか(私の知ってそうな範囲で)?」
「…(いやな予感がする)…ええっと…ショパン…とか…。」
「ああ、はい!ショパンとか。僕も知ってますよーショパン。」
「…ああ、はあ…。」

こういう会話を何度もした気がする…。
「お前はショパンという名前を知ってるだけとちゃうんか」と、何度も言いそうになった。
今の人のクラシックに対する興味なんてこんなもんさ…。


あと私がよく分からないのが、

「ジャズってすごいよね」

というセリフである。いや、意外にこれよく聞くもんで…。
「ジャズってすごいよね」って言ってる人は自分で「ジャズのことなんか何も知りません」
って言ってるようなものだと思うのだが…。

まあ、私はジャズのことは分かりませんけど。
それにしても、クラシックをよく聴く人が「クラシックってすごいよね」なんて言うと思うか?

J-POPをよく聴く人が「J-POPってすごいよね」なんて言うと思うか?


要するに、ジャズな感じ、というものに少し触れたことがあるけども、
曲名すら一つも知らない状態の人が放つ言葉が「ジャズってすごいよね」だと思うのだがどうか。
語るからには聴けよな…。

でもどうだろ。現実問題として、クラシックに比べれば、一聴した者に
訴える力は強いのだろうか?クラシックは起承転結というか構成の面ですぐれているとして。
そういうものがあるとすれば、クラシックもジャズも腰をすえて聴いたことない人にとって、
「ジャズってすごいよね」という結論になるのかもしれないな…。

ま、即興性とか無視できないですけど。でも、
「ジャズってすごいよね」の段階だと、それすらも知らないかも…。どうだろ。


「すごい」という褒め言葉は実はなにも言えてないんじゃないか、と考えてしまうのだが…。
とりあえず、何が何でも褒めなきゃ、と思ってる人が多用していると、私はひくぞ。



関係あるようなないようなだが、よくチェックしてるサイト。

しゃべり場

番組は合計一回分ぐらいしか見たこと無いけど。
この辺の人たちと、そこによせられるメッセージがおもしろくて(悪い意味で)。

今回関係あるのは、「『僕ら』『僕たち』っておかしくない?」かな。


>最近、「僕ら」とか「僕たち」という歌詞が入った歌が流行ることが多いと思う。
>「僕らが過ごしたあの日々は♪」「僕らは世界に一つだけの花♪」。
>今の若者たちが孤独を恐れ、「僕ら」と呼べる仲間や居場所を求めていることを
>象徴していると思う。


…この人アホでしょ(笑)。
「勝手に『僕ら』とかいって一くくりにするなよ!」と言いつつ、
勝手に「若者たち」を一くくりにしているんだが(笑)。


あー、この中では、「ネットの中にも現実はある」が興味あったな。見ればよかった。
昔は冗談で「現実では」なんて書いてたけど、私はもうネットだって現実、派。
というか、こうしてFF2ボス戦闘曲のアレンジ案とか話し合ってる関係が
直に会う友達と何が違うわけ?と思ってしまうわけなんだが。
直に会う友達にだって踏み入ってない部分はたくさんあるし。区別なんかないと思う。


で、これによせられた意見でおねしろかったのが、

「相談するバカと、相談を受けるバカ。」
とかいうやつ。

>今回の放送と関係あると思うけど、最近ムカついたのが、ネットでのペットの相談。
>「ペットの掲示板」に、飼い犬の様子が変だという、書きこみが並んでいました。
>すると、ご丁寧に「それは、こういう病気でしょう」とか返事を書いている。
>犬を飼っているというシロウトが、文字だけで「診察」している。
>ビックリした。獣医だって、直接、症状を見て、検査しなければ、病気か何かなんてわかりません。
>普通なら「早く獣医に連れて行って!」でしょう?。相談する方も、書きこみしている時間があったら、
>獣医に連れていけよ!と思う。横で飼い犬が苦しんでいるんだから。
>道場破りは「ネットにはまっている人をイメージで判断するな」とかいってましたが、
>イメージではなくて、現実は、「犬を獣医に連れていけ」ということであって、
>「見知らぬシロウトにネットで診察してもらうな」ということ。人間の相談も同じです。
>直接、会って、見て、話しを聞かなければ、わからないわけです。


…売れてない獣医さんなのか?でなければ何を持って

>獣医だって、直接、症状を見て、検査しなければ、病気か何かなんてわかりません。

と断言しているのだろうか。新しい創傷治療の掲示板は無駄なのか。

見ず知らずの、たまたまその時返事が出来た人がいたおかげで、
医者に行かずにすんだかもしれない、という良い面もあるんじゃないのか?

人間の相談が同じだとは思わないが、例えば多数の人の意見が得られるとかもあるんじゃないのか?


個人的には、ネットと直に会うのでも差はなく、どちらにも深い浅いがあるだけなんじゃないかと。


あー、このシフラのCDマジ最高に笑える。
お気に入りは、10-1,10-4,10-8,25-8,25-9ってとこかな。
中でも10-8は、「この曲はこう弾いて欲しい」という私の要望にピッタリである。
…それ以外は行き過ぎ具合が笑えるって感じなんだけど。