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今、退院後初くしゃみをしたんですが、
…メチャクチャいてえ!
肺切った辺りの背中がいてえ!
…痛みが続きはしないけど…私ってもしやかなり危険な状態なのだろうか…。
はやいとこ入院の奴おわらそう。
管を抜いてもらってからは、嘘のように楽になった。
それまでは痛みをごまかすために音楽を聴きっぱなしだったのだが、
(手術前も聴きっぱなしだったのだが)
そのときばかりは、左右の背中をつけて寝られる事に感動し、
しばらく上を向いたまま放心状態になっていた。
その日にはYっさんとK島君がお見舞いに来てくれた。
私のベッドの足側の板が外れているのに笑っていた。背が高くて足がつっかかるのでね。
そういえば、看護婦さんにも来るたび言われたなあ。
「バリアフリーとか言ってますけど背の高い人への配慮が足らないですよね(笑)。
洗面台とかも低くて腰が痛くなっちゃいそうですよ(笑)」
とかまあ冗談を飛ばしまくっていたので、入院中もそれなりにストレスなく過ごせましたな。
専攻が決まったことを伝えられた。希望のところに入ったみたいだね。情報科学。
授業の話とかした後は…自分の病気暦とかを語ったりして、
かなり病室にはふさわしくない話題でしたなー。
いつものような話を長くしゃべってたら、母親登場。
飲み物を提供される。ペットボトルいくつかと、客にはブラックコーヒーを一つずつ。
母「テストのこととかで色々お世話になると思いますんでよろしくお願いします」
私(…お母さん、それめちゃくちゃ失礼だと思うんだけど…。それしか言う事ないんか。)
母親はいったん場を離れた。
Yっさんが「俺コーヒー飲むとナーバスになるんだよねー」とか言うので、別のを渡す。
ここで、なんとなく「私がコーヒー飲んだら母親に怒られそう」という予感がして、別のものを飲む。
その後もいつものような話をしていたらまた母親、と今度は姉も来たので、
さすがに二人は帰っていった。
姉には久々に会うな。
「…ええと、わざわざ帰ってきてくれたんですか?」
姉「まあそうだけど、(就職決まってるのに)留年しそうな事の話もしなくちゃいけなかったからね」
「そりゃどうも。…全然たいしたことないんだけどね…」
姉「え?なんか電話で今にも死にそうって聞いたんだけど…(母親の方を見る)」
母「だって、手術よ手術!なにがあるかわかんないでしょ!」
「まあそうだけど、この世で考えられる範囲で最も簡単な部類だと思うよ」
姉「そうなの?」
「ところで、このコーヒー、飲めないって言うから別のあげたんだけど、飲んでいい?」
母「…やめときなさい。コーヒーはよくないわ。」
「…そう言うと思った。」
姉「…?なんでなの?なんでコーヒーダメなの?」
「…僕も知らないけどそう言うと思った。」
母親の言う事に根拠などない。
まあ色々話したが、弟の受験の話とかして、
母「あの子、頭に小さなハゲができちゃって気にしてるのよ」
姉「へえー」
母「友達に言われたりして、かなり気になってるみたいなのよねえ」
姉「マジックで塗れば?」
母「あたしもそう言ったのよ!」
テレビに出てるどの漫才よりもおもしろいと思った。
手術後はやはり痛かったし、疲れた感じで仕事をする気にはなれなかったな。
音楽は相変わらず聴いてたけど。
手術前と直後(痛い時)はヒーローとか聴いてましたが(笑)。
楽になってからはもうちょっと軽いものを。
21時消灯で、毎日そこから2時間が至福のときでした。
静かで暗いところで寝ながら音楽を聴くのは最高です。
5感のうちの聴覚だけを使う状況にするわけですな。
久々に自分で作ったゲームミュージックコレクションを通しで聴きました。
やはり天地創造の「帰路」が抜群にすばらしい…。
ゲーム中に聴いた時に流れている映像は小さなものですが、
想像の中では頭一杯にその絵が広げられます。
空を飛ぶ鳥、追いついてくるように途中から入るハープはもう一匹でしょうか…。
ダライアス外伝、「VISIONNERS 〜幻視人〜」も夜聞くのに最高。
「Close your eyes(瞳を閉じて). Close your head(思考を閉じて)」
宇宙の海を漂うというコンセプトが見事に伝わってきますね!
あと、久々にアムランの弾くトッカティーナを聴いて、
「…まさに、私の弾いたのの正しく弾いた版だなあ」と関心するとともにちょっと悲しくも。
最近作った「FCコウハ」CDもなかなか楽しかったですな。
Natsumeという会社の曲を集めてみたり。あと、「ラフワールド」。
Vutter君に借りたマリオゼルダビッグバンドライブのいくつかも。アドリブがすげえ。
最後、退院直前になって、自分の傷口の消毒とかがされる段階になって、
どうしても聞いておきたかったことを聞く。
まずは看護婦さんからさぐりを(よく思い出せないので変な会話ですが、もうちょっと普通にしゃべってたと思う)。
「傷口を消毒するのとかって意味あるんですかね?」
「うん、イソジンにはね、消毒効果があるのよ」
「なんか、僕ホームページで意味ないとかって書いてあるの読んだんですけど…」
「ええー?そうなの?」
「閉鎖療法とかいって。まず、傷口は乾燥させちゃいけないとか…」
「そう、基本は乾燥よね」
「いやいや、逆ですって。乾燥させると真皮が死ぬとかで…」
「ええー、そうなのかしら…最近はインターネットとかで一般の人の方が知ってたりもよくするのよねえ」
「…あんまりよくないですよね(笑)」
「…そうね(笑)。ごめんさないね勉強不足で。あ、でも褥創のラップ療法は ここでも始まってるわね。」
(どうでもいいがこのサイトの☆医療用ラップ・医療用紙おむつの開発に成功!☆、これのオチは面白いと思った。)
おお、そこまでは来ているのか。
「普通の傷も同じみたいですよ」
「そうなの…」
「あ、いやでもなんか、医学会でももめてるみたいですよ」
「へえー」
ふむふむ、ラップ療法が始まっているとなると、変革は意外に近いかもしれないですな。
退院の日、最後の消毒は先生にやってもらう時にも聞いてみる。
「新しい創傷治療とかいうサイトで読んだんですけど…以下略」
「…いろいろ調べてますね…」
先生、ちょっと口が重そうだ。
「まあ縫合したところの傷なんてのは何やっても治りますよ」
それは私も分かってるから言えるんだし、今消毒されるのをはねつけたりしないけど、
もし大やけどとかしたら、黙ってないかんな。
というか、この発言は縫合した傷の消毒が医者にとっても「おまじない」に過ぎないと認めてるような…
「そういう治療もものによりけりでしょう」
「なんでもそれでやると、痛い目を見ると思いますけどね…」
「新しけりゃいいってわけじゃ…」
最後のは…あんまり意味のない発言ですね…。
でもおそらく、先生も多少知ってるんだろうなと思ったな。
手術の話とかしてて、不審に思ったりとかしなかった、かなりしっかりした先生に思えたけど、
やっぱりこの話は、医療現場にいる人にしてみたら悩ましい話だと思うし。
看護婦さんとか、ホントにどの人も親切だなあと思ったけど、
親切したくてやってることが逆に患者を苦しめてる、ってことが分かったら、
あれだけ親切な人達だったらなおのこと悩むだろうなと思うわけですが。
まあ、ちょっとそのきっかけをぶつけてきたかったわけですな。
悩んだなら、きっと、動きが起こるんじゃないかなあって。
カプースチンの布教じゃないけど、草の根の活動が身を結ぶと信じましょう。
その後先生に会った時に、「まあ確かに消毒はしなくても大丈夫なんですよね」とか言われた。
やっぱ、先生も「おまじない」だとは思ってるんでしょうな…。
そう言ってくれたのはうれしかったけど。
退院直前になって、担当看護婦に「入院計画書?」にサインを求められた。
入院する時の同意書みたいなものらしい…って今かよ!
翌日から勉強くらいならいいですよってことで、親に送ってもらって学校に行ってるというわけですな。
(傷口を濡らしちゃいけないということで風呂ではなく)シャワーを浴びたら、
縫合傷の絆創膏を張り替えと消毒するよう言われているわけですが。
…僕は、傷口を濡らしてもいいし、絆創膏をする必要もないと信じているのですが、
傷が治らないことより母親と口論する事の方が嫌なので支持通りにしてます。
シャワー上がりにいったんすべての絆創膏を取った時、
全く痛みがなくなり、なんとなく痛いと思っていたのは絆創膏が引っ張る感覚だったと気づき、
正直かなり気持ちはゲンナリしていましたが…。
これがなければ寝るのも自由なのに…。
今朝起きてみて、ワキ毛に絡まって腕を動かすと痛いのなんのって。
半分ぐらいはがした感じにしておきました。
「痛いからはがそうかなあ…意味ないし…」
母「ダメ!言うとおりにしときなさい!」
「だってしてた方が痛いんだよ?」
母「痛くなきゃ体を守らないでしょ!」
「…なるほど…無茶苦茶だがそれ自体は筋が通ってはいるということにするか…」
ほんとに、早く医学界の常識がひっくり返るといいなあと思いました…。
担当してくれた先生は信頼できるっぽい人でしたが、
まあ消毒厳禁とか運動しだすと大変でしょうからな。誰かには動いて欲しいところですが。
でも、私過去にあんなことがあった割には医者という人種を信頼しすぎかなあとも思った。
あの医者の卵達がほんとうに医者になったらどうなるんだか…。