フェルミ推定

マイクロソフトgoogleが入試に採用したりして,それに習って広く行われているらしいフェルミ推定について.

なんつーかこういうのできる気がしない.論理力を試したいなら最初の前提も与えて欲しいのだが.まあ最初の前提に納得できるものを用意するのも論理力のうちだと思うが,こういう問題の場合それは論理力というよりはでっち上げ力のような気がするのだが….前提がデタラメなもので推論してもしょうがなくね?


うーん,こういうのにすらすら答えられる人はむしろ気持ち悪いと思う….いや,ちゃんとした前提をひねり出せるならそれは凄い事なんだけど.普通は自分で提示した前提が納得できるか考えたら負けゲームじゃね?


例えば,リンク先で前提として仮定している,

1. シカゴの人口は300万人とする
2. シカゴでは、1世帯あたりの人数が平均3人程度とする
3. 10世帯に1台の割合でピアノの保有している世帯があるとする
4. ピアノの調律は平均して1年に1回行うとする
5. 調律師が1日に調律するピアノの台数は3つとする
6. 週休二日とし、調律師は年間に約250日働くとする

これらのうち,理由を聞かず納得できるものはいくつあるか?と思うと,私はピアノの調律が行われる家庭で育ったから,456はまあまあそうかもぐらいには思うけど,その他3つとかは,私が面接官だったら「どうしてそう思うの?」と聴くと思う.ピアノの知識がなければ,すんなり納得できるのは6だけじゃないかな?



もしこの問題が「実際の値に近い値を言えれば勝ち」みたいなゲームだとしたらまだ許せるかな,という気がする.実際の値があるものに,それを調べて報告する事より,仮定した方がいいってことはないだろう?実際の値が分からない時にそれを無理矢理補うべく「論理も使えるよ」程度のものであると思うのだけど.実際は知識があれば論理は省略しても良いし,問題への適用はそれらの複合で行われてもいい.論理だけで説明しようとしても,自明な前提までたどり着けないこともある.


なので,

  • 物凄く自明な前提から導ける場合
  • 実測できない内容に対して,実測できるものを(問題の)前提として与える場合

ならいいと思うんだけど.あるいは,

  • 実測できないこれについて,何が分かれば推定できそうか

という問題なら論理力の試験としてはいいんでないかな.前提の数字は変数のままでいいってことね.