エヴァンゲリオン感想

大体聞いたとおりの話で,最後はカルトな感じにはなってるけど,別に言いたい事が比喩になってるとかではないので,普通に話を聞いてれば何を言いたいかは十分分かるはず.すなわち,「人と適切な距離をもって付き合えるようになりましょう」とか「自分の意思を持ちましょう」という事なんだけど.


既にそういう話を聞いてしまってから見たから確認だけになってしまったけど,確かにこの作品が言ってることはリアリティがある.しかしそのことに私が気づけたのは多分,20歳は越えてからだろうなあと思う.自分にはシンジやアスカが抱えるような問題は無くて,ただ,それがあった人がいることも今は分かる.というか今もそういう人に会うというのが笑えない.


筑波大の人は優秀なので(笑)シンジよりアスカみたいな人が多いかな(笑).いや,私につっかかってくるのがアスカみたいな人なだけで,シンジみたいな人は影で泣いてるのかもしれない.


この二人が抱えてる問題は基本的に同じで,他人が認めてくれる能力があれば生きていてもいい,そうでなければ生きていけない,というような強迫観念にとらわれているという事ですよね.シンジは「最初何も無かったけどエヴァに乗ることによってそれができた」と思っていて,アスカは「前はあったけどなくなってしまう」と思っている.それはつまりシンジはある意味良い方向へ向かってたんだけど,その考え方ではダメな方が救われないということが,アスカの病み方に表れているということでしょう.多分.


普通にしてれば優等生だったので,努力する事を疑わずに生きてきて,反抗もしたことがなく,ほっといても他人に認められると思っていた.でも,自分が凡人であることに気づいて,「一番じゃなきゃだめなのに」と焦っている.というのが私につっかかってくる人の典型的パターンですよ(笑).いや,中学生がそれで悩むのはいいんです.中学の時に上手く行ってしまった人が,大学で初めてその段階を迎える,というような話で.まあ,そういう人も,中学生が悩む事をしっかり悩んで,中学生が悩み終えるように悩み終えればいいのですけど,どうも年取ってからの方がこじらせやすいのかな,ぐらいには思います(笑).どうしてそうなる人とそうならい人の差が生まれたんだろうと思うと、親かな、という気がする。



まあその辺の話は置いておいて、やっぱり普通のエンターテイメントとしても良くできてますよね。SF的なことは、難しいことを言わなければ「まあそんな真面目にやってないよね」で済むところが、なまじ分かってそうな事言うので反発して間違いを指摘したくなるような気がしますが。ゼーレのこととかはあんまり分からなかったけど、分かるほどの情報が提示されてたとも思わないしいいのかなあと。最後の方は作画が間に合わなかったのだろうと今にしては思うけど、カヲル君のところで絵が止まるところとか、単なる手抜きとは言えない味を感じました。


エヴァを見たときはレイ派かアスカ派かを語らなくてはいけないような気がするのですが、正直どっちもやだよね…。つうかこの物語には基本的に仲良くなりたい人はいないよ…。あ、昔はなんとなくレイ派だったような気がします。


エピソード的に私の中で印象的だったのは,シンジがレイのことを「お母さんって感じがした」って言った所で,レイが頬を赤らめるところなんだけど,私としてはそれは女は引く所じゃないのか?と思った.いや、正直ちょっと萌えかけてやばいと思ったのかも知れない。