やりたいこととできること

自由でない状態、「やりたい事ができない状態」というのはあり得ない。やりたい事ができないのが問題なのではなく、できない事をやりたがるのが問題なのだ。人間は、できる事しかできない。この当たり前の事実を忘れてしまっているのが問題なのである。

例えば、深夜残業でフラフラになっている人に、「今やりたい事は?」と聞いたとしよう。それに「今すぐ家に帰ってぐっすり眠ること」と答えたとしよう。それに対して「じゃあ今すぐそうすれば?」と言われたら何と答えたらいいか。椅子に縛りつけられたり鍵のかかった部屋に缶詰めになっているような職場でなければ、「できない」ことはない。次の日どうなるかは知らないが。

もし、「そんなことをしたら会社をクビになるからできない」という答えなのであれば、そもそも今やりたい事は「家に帰って寝ること」ではなかったのだ。本当に今やりたい事は、会社をクビにならないように深夜残業をがんばることだったのだ。

「自由に行動できない」というのは間違いである。「奴を殺したいけど警察に捕まるからできない」のではない。「奴を殺して警察に捕まるのは嫌だから、殺したくない」のだ。ルールは自由に破ることができる。破りたくないから破らないだけである。ルールに縛られて自由に選択できないのではなく、「ルールに従う」ことを自由に選択したのだ。だから、それは自分の選択であり、自由な行動である。

「やりたい事」を、それをやった後の結果と切り離して考えるからおかしなことになる。行為には結果がついて回る。そして、結果も含めてそちらの方が望ましいと思うから、「やりたい」と思うのだ。できもしないことをやりたがったり、実際にはできる事をできないと思い込む事さえしなければ、やりたい事は必ずできるし、それを実行するはずである。

できもしないことをやりたがったり、実際にはできる事をできないと思い込む事さえしなければ、やりたい事は必ずできるし、それを実行するはずである。


少なくとも,これが分かってない人は,私は大人だとは思ってない.