「常識」で済ませた方が良い物

ちょっと前、こういう話が話題になった。「その人が好きである理由を全て説明できてしまったら、それは可換になってしまうことを意味し、その人の特別性が無くなってしまう」というもの。


この考えを応用すれば「なぜ人を殺すのは悪い事なのか」という質問には、「そんなものは常識だ!」と答えて良いことが分かる。人の命というのは、他の物と可換ではない、というところに本質があるのだ。売春が悪いこととされるのも同じだ。人の性は可換でないという認識が(多くの人に)あるのだ。そこに理由を見出そうとするのが間違いである。


「常識」とは「みんなが知ってる事」という意味だが、それには先天的なものと後天的な物があり、区別して考える必要がある。先天的な常識というのは、「本能」のようなもののことだ。社会に根差した常識はその区別が曖昧だが(性器を隠さないと恥ずかしいとか)、先天的か後天的かの度合いは考えることが出来る。人を殺してはいけないというのは、かなり先天的な常識なのだ。