エヴァの「序」と「破」

研究室に提供されてた、エヴァンゲリオン新劇場版「序」と「破」を見ました。ブルーレイ版をPS3で。


音量のダイナミックレンジが広く、また研究室で見てる関係上あまり大きな音出せないので、音量の調節が必要だった。色々試行錯誤して、「重低音低減」して、「スピーカーを物理的に手前に持ってくる」という対処をした。


(以下ネタバレあり)

(あと、基本的に私はエヴァがあんま好きじゃない事を分かった上で読みたいならということで)

序について

うーん、びっくりするぐらいテレビ版と同じ。詰め込みになってるので、演出の間はテレビ版より悪い。でも、映像は当然綺麗で、街の描写が増えたりしたのは面白かった。


あの流れでは、シンジがエヴァに乗らないのはぶっちゃけしょうがない。無茶苦茶過ぎる。あと、最初にエヴァに乗るところは、テレビ版では暴走の記憶の前にベッドで起き上がるわけだけど(尺の都合で)、その方が正直良かった。


続編がある前提とはいえ、映画として成立させるため、今回の分に関係ない要素を上手く排除してるかな、と思った。アスカと加持を全く出さないとかね。


個人的に一番注目したのは、「ヤマアラシのジレンマ」のくだり。直後に明快な答えを用意してきた。これは、本来見てる人が自分で出さなきゃいけない答えだったんだけど、あまりにも読みとれない人が多かった(まあ、物語が説明していないだけとも言える)ので説明的にしたんでしょうね。別の事を言うと、ミサトもリツコもテレビ版では「大人」じゃなかったから言えなかった(物語中で答えを提示しようとしなかった)けど、今回では大人は大人の役割をするという事にしたのかもしれない。しかし、それだとエヴァとしてはどうなんだろう…という疑問は残る。それは最後まで見ないと何とも言えないかな。


「子供を指導しようとしている大人が実は大人になれていない」という傾向がテレビ版のエヴァにはあったと思う。それは物語としては微妙でも、世相を反映していて、当時の人の心に響くものであったんじゃないかなと思うんだけどな…。単純な物語にしてしまっていいのかな…。


細かい所では、ヤシマ作戦の所の使徒の、ドリルが改善してて良いね(笑)。ちょっと浮いてたからアレ。あと、変形するのはかっこいいけど…、攻撃回数とかが納得いかない感じになってしまったような…。あの様子なら即二撃目をエヴァに対して叩き込めたんじゃないの…?

破について

こっちは結構違う。レイもアスカも性格が改善して行く。ゲンドウも歩み寄りの姿勢を見せる。シンジは熱血主人公みたい。


特に良かったのは、落ちてくる使途を受け止めるところの、街が変形して走るのを援護するところ。あれはかっこいいと思った。


挿入歌はぶっちゃけ外れでしょうアレは(笑)。噴くよ普通に(笑)。まあネタだと割り切ってみれば面白いかもしれないけど、一流作品というか、「一次作品」として許容できる範囲は越えてるかなと。「同人かよ」ということね。アスカの入ったエントリープラグを噛み砕くところは一応最大級の衝撃ではあった。普通に悲壮な音楽で良かったと思うけどな…。


新キャラのマリはなんだったんだろう…。この分だけ見てる限りではまったく居なくていいキャラだったような…。次回作とかで効いてくるのかしら。なんというか「記号」感の強いキャラなので、単なるテコ入れみたいに感じられて、個人的にはマイナス。


気になったのは、ダミープラグを入れて暴走させた初号機を、相手の戦闘能力を奪ってからも、停止させようとしない所。普通にそりゃアスカを殺したいんだってことじゃないか?後のシーンでダミープラグを停止させようとするシーンもあるし、できない(やろうとしない)とは言わせんぞ。そこで止めてればシンジも切れないだろうし、あれじゃゲンドウも「大人になれ」とか言うにも説得力無いだろう(まあテレビ版は万事そんな感じだったように思うが)。しょうがない事となんとか出来ることをしようとすることを混同してはいけない。


あと、テレビ版のアスカはトラウマが解消されてないから使徒の精神汚染に軽々やられてしまったんだと思ってたんだが、トラウマ解消されてるのにやられるのかあとか思った。


レイが最後助かるってのは凄い変更だなあ。エヴァってそんな(良い)話だったか?と思うには思うけど、なんだか嬉しいね(笑)。私も単純だな(笑)。


あとは、状況が滅茶苦茶クライマックスに見えるんだが、ここからまた映画作るのか…もう15分もあれば終わる状況に見えるけどな…。



カヲルが最後「今度こそは助ける」みたいなこと言うのは謎だけど、次回でどういう意味なのか明かされるのかな。ちょっと他人の感想を読んでた時に出てきた、「上手く行くようにエヴァの世界を何度もやり直してるうちの一つ」とかいう話だと思うと、繋がりそうかな?「マリはエヴァ世界を上手く行かせるために意図的に挿入された存在」みたいな話もあって、それも少ししっくりくるような気がする。