目的のある音楽

もう新ブログ作ったから新記事をこっちに書くの嫌だったんだけど、新ブログはもっとテーマを絞って書こうと思っているので、小ネタはこっちに書くことにする。


この記事に大変引っかかりを感じた。

「昔ながらの海水浴場に戻したい」。この点に関してはそれが地域としての選択ならば良いとしても、「ダンス音楽は来夏も禁止するが、BGMはジャンルを決めて流す」という専務理事のコメントに段々とキナ臭さが滲み出てきております。各海の家が流して良い音楽と悪い音楽を、どういう基準で選別するつもりなのか?

全く客観性のない不明瞭な基準に基づいて「良い音楽、悪い音楽」の選別をしましょうという発想自体が、根本的に間違っていると言えるでしょう。

というような主張をしている。しかし私の読む感じでは元記事はそんなことは言っていないと思う。



ダンス音楽というのは踊るためという実用性を持つ音楽である。聴いて鑑賞することがそれ自体が目的の音楽とは、目指すところも評価基準も違うものである。


そういう「目的が違うもの」をまさに「ジャンルが違う」と言うのであり、その意味で「踊り目的の音楽は禁止する」というのは「良い音楽と悪い音楽を決める」ということとは関係がない。「ダンスを目的とした音楽(ダンス音楽)は禁止」と言っているのであって「ダンス音楽はサザンに比べて音楽として良くないから禁止する」と言っているのではない。


海水浴場で遊ぶのに、音楽はあってもなくてもそんなに影響はない。しかしクラブ的な踊りはダンス音楽がないと成立しない。つまり音楽を禁止するという事はクラブ的な活動を禁止することにはなるが、海水浴場で遊ぶことは禁止しない。海水浴場を本来の目的通りに使ってもらう策として、ダンス的な活動を制限するというのはそんなにおかしい事とは思わない。ダンス音楽を規制しなければクラブ的な活動が収まらないのであれば、音楽を禁止にするという策はそんなに悪くないと感じる。そして、ダンスに使う音楽でなければ良いという意味で「サザンとかかかっててもいいかな」という人が居るのもおかしくないと思う。音量の制限なんかはどっちにしろした方が良いんじゃないかと思うが。


「治安の悪化という状況を受けて対処した」というのも意図的に無視しているように思える。通報が多発して対処せざるを得ないところまで来ているから、本当にいい方法かは分からなくても対処しているのであり、クラブ的に楽しむ客が迷惑をかけているなら、それを排斥するというのはしょうがない面があると思う。そこの解決策の代案を無しに言っても何の解決にもならない。


私もこの人の言うように「公機関による良い音楽、悪い音楽の選別」というのは良くないことのように思えるが、この人はその結論ありきでしかこの記事が読めていないと思う。そしてそんなことを論じられるほど音楽や芸術に造詣が深いとも思えない。


結論。

全く客観性のない不明瞭な基準

と言っているが、ダンス音楽は、使っている本人たちには、それと分かるものである。だからダンス音楽は禁止というのは不明瞭な基準ではない。ただ、それを言葉で表現する能力は私にはないのであるが。



音楽は、作られた時に意図を持つこともあるが(ダンス音楽はその代表とも言える存在であるが)、結局は聴く人の捉え方で決まるという面はある。ダンス音楽をただの鑑賞目的で聴くことも出来る。そういう時にはダンス音楽の実用性は考慮されず、他の鑑賞用の曲と同列で評価されるわけである。


別の言い方をすると、ジャンルの数だけ指標の軸があり、各曲はいろんなジャンルの要素を違う割合で持っているのである。その中で一番大きい要素を暫定的に「そのジャンルの曲」と呼んでいるのである。