授業「情報科学」の参考文献-第2部

第二部のメインテーマは「情報とコンピュータ」のつもりでしたが「デジタルとアナログ」というタイトルの方が適切だったかもしれません。この部分は、私は大学で専門教育を受けたので、どこかの授業で学んだという感じで、どの本が良かったということをあまり思い出せないので、あまり挙げられる本は多くありません。


キーワード:情報理論,2進数,bitとbyte,デジタルとアナログ,標本化と量子化,符号化と復号,ノイズ,情報量と冗長性,エントロピー,暗号,情報圧縮

一覧

本タイトル 著者
冗長性から見た情報技術―やさしく理解する原理と仕組 青木 直史
暗号技術入門 第3版 秘密の国のアリス 結城 浩
数学の考え方 矢野健太郎
情報論I 瀧 保夫

冗長性から見た情報技術―やさしく理解する原理と仕組み / 青木 直史

冗長性から見た情報技術―やさしく理解する原理と仕組み (ブルーバックス)

冗長性から見た情報技術―やさしく理解する原理と仕組み (ブルーバックス)

シラバスで授業の参考図書に挙げていた本。大学図書館にもあるが禁帯出のようだ。安い(886円)から買ってもいいのではと思う。その名の通り、色々な情報技術を冗長性の観点から紹介している。なかなか良くまとまっていて、情報が専門でない人達向けの説明として必要十分な感じでいいと思う。私もいくつか説明の例として参考にさせてもらった。

暗号技術入門 第3版 秘密の国のアリス / 結城 浩

暗号技術入門 第3版

暗号技術入門 第3版

数学ガール」の作者の本。分かりやすい説明で定評がある。平易な文体で書かれているが、なかなか鋭い指摘に溢れていて含蓄がある。授業ではほとんど触れられなかったのだが、情報技術はかなり暗号技術に支えられているので、暗号技術が分かると結構いろんなことが分かる。特に、RSA暗号に代表される非対称暗号は物凄い発明で、これが無かったら今のインターネット成り立たない。ただ、この本はとても詳しく書いてあって勉強するにはいい本だと思うのだが、非専門の人にはここまでの知識は必要ないかもしれない。第3版には最近話題のブロックチェーンについても書いてあるみたいなので、もし読むなら新しい奴を。

数学の考え方 / 矢野健太郎

授業でも古代エジプトの数字などを取り上げたが、この本の序盤の、数の起源とかのところを参考にさせてもらった。後半は私もあまりちゃんと読んでないのだが、数学の各トピックの歴史的な経緯について触れているのが特徴かな。作者は有名な数学者。

情報論I / 瀧 保夫

情報論 1 情報伝送の理論 (岩波全書 306)

情報論 1 情報伝送の理論 (岩波全書 306)

これは私が大学生の時に「情報理論」という授業の教科書として買ったもの。教科書にしてはB6と小さいサイズだった。情報理論というのは普通は情報通信の理論のことを指すんだけど、それは情報通信の分野が最初にきちんと理論化されたことの名残なのかなと思う。そしてそれを成し遂げたのはシャノンという情報学者。私自身は授業のために参考にしたけど、皆さんにはここまでの内容は必要ないかもね。