リスク管理

みんながリスク管理ができないのは、実力とか、余力とかが足らないからだ。


終わりよければ全て良し、と言う奴が多い。確かに上手く終わればそれは良いのだが、「うまくいくかはやってみなくちゃ分からないんだから、準備してもしょうがない」というような発想でやっている限り、半数は終わりが上手くいかないのが必然だ。


なぜ「5分前集合」という教育をするか。それは、少々の問題が発生しても時間通りには到着出来る余裕をもたせろということだ。そんなことは分かるだろうに、それを一般に拡張することが出来ない。


なぜなら、「どんなことが起きても大抵なんとかなる」準備というのは、もの凄く大変だからだ。「ただ本番に臨む」労力を1とすると、5〜10位の労力がかかる。「リスク管理の意識が無い」ことを指摘することは多いが、実際は意識よりも実力が追いつかないというのが本当の所だろう。


逆に、99%成功することを99.5%成功にするような労力は(場合にもよるが)無駄なので、省かないといけない。無駄というか、他に労力を回さなければいけないということだ。その辺の加減を知るためには、自分の実力を冷静に見つめないといけない。過去どのぐらいの努力で、どのぐらいの確率で成功しているかと考えなくてはいけない。たとえ本番がうまくいったとしても、反省しなきゃいけないことだってある。「勝つべくして勝った」か、「たまたま勝った」かを見極めないといけない。


リスク管理は大変だが、しなくて良いという話ではない。そこまでやることによって始めて得られる信頼というものがある。