治るまで診る

救急外来で傷の処置をしたがその後の治療は近くの病院やクリニックで,というパターンです。病診連携が言われるようになってから,「総合病院救急室では初期治療のみ。その後は病診連携の診療所で」というのが普通になりましたが,この場合,初期治療を行った医者はその後,この患者さんがどうなったのかわからないままです。つまり,自分の治療に対するフィードバックがかからず,自分の治療法が正しかったのか,自分の判断は正しかったのか,その後トラブルは起きていないのかを知る機会を失います。その結果,この医者は同じ過ちを繰り返します。

 私は2003年から「傷の治療センター」を作りましたが,これは病院の救急室で処置をした外傷患者を治るまで診るのが一つの目的です。その結果,「こんな処置をするとその後こういうトラブルが起きる,こういう処置では治療は不完全だ」,という情報を得ることができ,初期治療をした医者にフィードバックできます。また,ありとあらゆるトラブルを見るからこそ,トラブルが起きない治療が可能になります。

なるほどねえ.