あまり和訳をしなくなったという話(あとネーミングの話)

映画タイトルとかで顕著なんですが,英語タイトルをそのまま採用して,和訳しない事が増えましたよね.まあ増えましたって言うか,随分前からなんですけど.私が生まれた時ぐらいからのレベルで.


まあ私はそんなに映画見ないので,父母が言っている話から分かる範囲で知ったことですが,昔の外国映画タイトルは,ほとんど日本語のタイトルを付けていたと思います.話題に上がったのは「打撃王」だったかな.

「The Pride of the Yankeesっていう映画タイトルを打撃王にしちゃうのは,伝えたかった事が含まれてないよなあ」

みたいな会話だったと思います.私がその他でよく覚えてるのは,「インデペンデンス・デイ」とかでしょうか.訳しちゃダメなの?とか思った気がします.


で,最近私が違和感を感じるのは,ゼルダの伝説のタイトルです.Wiiの前作は「Twilight Princess」で,次回作は「Skyward Sword」で,日本語タイトルもそれをカタカナ読みしただけなんですよね.なんで訳さんのだろ.前作の時は「黄昏の姫なのかな?」みたいな話が出てて,結局カタカナだったのですが,今回はそういう話すら見かけなかった.「天を仰ぐ剣」とかじゃ駄目なんだろうか?あ,検索したら話には出てるか.

いや,「なんで訳さんのだろ」というよりは,「なんで最初から英語で考えてるんだろ?」という疑問なのかもしれないなあ.


「天を仰ぐ剣」は,ちょっと字体としての収まりが悪いんかなあ.「天仰の剣(てんぎょうのけん)」でも良いと思うけど,ちょっと子供が読みにくいし読みがかっこ良くないかなあ.妥協して「天空の剣」にしてもドラクエみたいになっちゃうし(笑),普通すぎる感あるか.


過去タイトルを思い出してみると,かっこいいと思う順に,

…以下どっこいどっこいなので順位は無しで.


私のセンス的には,「夢をみる島」が「夢を見る島」でないのは,字体というか,漢字とひらがなのバランスの問題だと感じます(A,and,B,and,Cみたいに見えちゃうんだよね.AB,and,Cなのに).同じ理由で,「天を仰ぐ剣」はちょっと収まりが悪い.かと言って「あおぐ」では「扇ぐ」と区別できないし,そもそも文字数も増えてその見た目も良くない.多分.


夢をみる島」は,だから「風のタクト」よりはロゴ的には見にくい.それを覆すぐらい訴えかける物語性が上という評価です.


我々は多分,ひらがなと漢字とカタカナを,それぞれひとまとめに見る能力が備わっているんだと思います.まあその繋ぎの文字もひらがななので,それがちょっとやっかいなんだけど.

  • 漢字とカタカナ

とすれば,平仮名がただの区切りであり,意味を持っているのが漢字の部分とカタカナの部分である事が分かりやすいではないですか.同様に

  • 漢字と漢字
  • カタカナとカタカナ

でも一応大丈夫な気がします.しかしカタカナはもともと外来語の読み用途なので,カタカナとカタカナにするぐらいなら,間の平仮名が要らない場合が多いんでしょうけど.


だから「天仰の剣」は,ロゴ的にはいい.しかし読みが良くない.良くないというのは,読みからは意味を一意に決定しにくい(予想もしにくい)という事と,あとは発音がカッコよくないということ.例えば「ムジュラ」なんて何の意味もない造語だけど,なんとなく禍々しさを感じさせていいじゃないと思う訳ですよ.

ググってたら「空に掲げた剣」という案も出てた.バランス的には漢字が真ん中じゃない分いいかもしんない.物語性がちょっと微妙だけど.