UVERworldの立ち位置

このサイトの記事面白い。ブログみたいになってないので引用。長いので省略。

UVERworld@東京ドーム

アニメ主題歌でデビューしたチャラいタイアップバンドだと思ってたら、他のその手の人たちのように、その主題歌だけはヒットするけれどあとは概ねシオシオという通例を無視して、そのままアニメ関連と全く異なる領域のファン層を新たにすごい勢いで獲得しながらデカくなり続け、今やノンタイアップであっても普通に上位に
食い込んでくる。


ヴォーカルはイケメン、メロはキャッチーなのに演奏は馬鹿テク、デビュー以降徐々に楽曲の構成は複雑になっていき、しまいには安易にうろ覚えでカラオケで選ぶとエラいことになるような難解な構成の曲を平気でシングルで出してくる。


一貫してビッグマウスを吐き続けギラギラの上昇志向を剥き出しにし、「ドームの1曲目にやる」と宣言してあちこち煽りまくりの歌詞のシングル、こともあろうかタイトル「No.1」という曲をドーム3日前にリリースする。


正味、今の時代に非常にそぐわないスタイルのバンドでして。その巨大化とビッグマウスの果てにたどり着いた東京ドーム。2階席上部に多少空席がある程度、ほぼ満員と言っていい客入り。公称42,000人。もうこの時点で彼らの勝利です。


しかもコアなファンの気合いが違う。動員自体はPerfumeより少ないものの、物販はそれ以上の光速で売り切れ。行列もものすごいことになり、通常物販は場外のメイン会場と場内の売り場双方で売るものなのに、場内で売るはずだった分まで速攻で全部捌け、場内での物販一切なしという異常事態。どれだけ熱心なファンの層が厚いんだという話。


で、ライブ開始1曲目「No.1」こそ音響のトラブルかドームであることを差し引いても非常に音質が悪くて、これ大丈夫かと一瞬思ったんですが、以降は復活。レーザー多め、スモーク多め、炎多めの猛烈にショーアップされたライブをきっちりと3時間近くやりきったわけですが、そういう「見せる」部分はまったくもってこのバンドの本質ではなく。


暑苦しいくらいに夢を語り、自信たっぷりに煽る。それでオーディエンスの気持ちも自分達の気持ちも上げていき、場全体の空気をこっち側に持ってくるという、まんま昔の「ロックバンド」然としたというか、むしろそれをさらに煮染めて濃くしたようなスタイル。


別に昔のロックバンドのようだったらいいというわけでもないけれど、でも、楽曲単位で続々消費されていくことが多勢を占めている現在のシーンの中に、こういうアーティストとしての求心力でもって、しかも王道を突っ走ってここまでデカくなれるバンドがいる、ということが純粋に嬉しいんだよ。


青臭くて、40になってしまった自分にはあまりに眩しすぎるけれど、それでも、自分が中学生の時に尾崎豊のライブで心打たれたように、このライブを観ていた中高生達はきっと何かを感じるだろうし、そういうアーティストに触れれば、きっと音楽は使い捨てする一般消費財ではなく、もっと大切なものになる。


もっとデカくなって、もっと複雑で煽りまくりの曲をオリコン1位とかにして、4大ドームツアーとか余裕でやってほしい。彼らのスタイルでそれくらいまで売ることができれば、レコード会社各社いろいろ方針考え直さざるをえない。今の日本の音楽は本当に少しでも変わるかもしれない。それくらい今の日本では重要な指針になりうるバンドだと思った。

私もUVERworldには注目している。そして良く歌ったりしている。この前ファン層の話を書いてネタにしたけど、むしろ私は騒がれなさ過ぎだと思っている。こんだけ技術や複雑さのひけらかしとキャッチーさが同居してる歌ってなかなかないぜ。