妖怪と八百万の神の違い
漫画「もっけ」は「蟲師」の劣化版みたいな事を思っていたのだが、それはちょっと勘違いだったかもしれないと思った。いや、私は蟲師の方が圧倒的に好きな事は変わらないのだけど、その勘違いについてここでは話す。
もっけに出てくる爺様は「向こうには向こうの都合があるから出来る限り干渉しない方が良いんだ」と、妖怪への理解を示しつつも、結局なんとかしてしまうスーパーマンとして描かれ、蟲師のギンコは、蟲にある程度干渉してはみるものの、結局「蟲には敵わねえや」という結論になる事が多い。
それを、なんとなく前者の方が風情が無いと感じていたのだが、これは相対する者(あえて敵とは言わない)が根本的に違うという事を見落としていた。
もっけが相手にしているのは妖怪であり、蟲師が相手にしているのは蟲、これは自然の象徴だ。八百万の神と言っても良い。そして、人間は自然には敵わないものなのだが、妖怪は「人間の心が生み出した物」であり、結局のところそれはいくら恐ろしく見えてもまっとうに生きる人間には敵わないものなのだ。
その事は「うしおととら」(言うまでも無く妖怪が出てくる)でも述べられていて、というか作品のテーマになってて、
後ろを見ずに前を向く…これが…闇に棲む我々が、ついにはかなわぬ…人間の力か!
というセリフがある。まあうしおととらには八百万の神みたいなのも出てきた気がして特に強くなかった気もするけど今回の話では忘れよう(笑)。
というわけで、まあ作品の出来はともかく、妖怪を人間が御せてしまうのは別に良いのかなと思った。まあ、御しきれない話があった方が作品に深みが出たんじゃないかなとは思うけど…。むしろ「御しきれない雰囲気を出しつつ実際はそうでもなかった」ということろが問題だったのかな。
まとめ。
- 自然は人間如きがどうにかできる相手ではない
- 妖怪は人の心の闇が生み出したもので、一見凶悪で強そうに見えるかもしれないが、人間が克服できる相手である
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