ショパンの舟歌の演奏どれが良い?
えーショパンの舟歌と言えばピアノ曲史上の最高傑作とも言われる曲ですよね.ピアノ愛好会では「ピアノ曲紹介bot」というtwitterのbotを運営しておりまして,そこにも紹介してくれというリクエストがたくさん来ています.しかし愛好会員の中でも誰の演奏が良いかという点でもめておりまして,紹介できずに居ます.
せっかくなので色んなピアニストの演奏を聴いて,その中で良し悪しを話しあってみたらどうかなあと思ったので,YouTubeにあるのを列挙してみようかなと思います.
なかなかこういうのは,最初に聴いたピアニストの印象が強くなってしまうような気もしますので,心をまっさらにして聴く能力みたいなのが求められます.そしてこの曲を続けて別の人で聴くのはなかなか難しいところがあるとも思います….まあ気長に色々聴いてみましょうということで.
botで紹介する以上YouTubeに有るもので議論しますけど,愛好会員の中では当然手持ちのCDなどから最高の物を議論すればいいとは思います.その録音の方が圧倒的に良いのであれば,botではもういっそ紹介しないのもありかもしれません(笑).
動画は随時追加していく予定です.オススメがあればそれも追加していきたいと思いますので,コメントなどでよろしくお願いします.twitterでも構いません.
(追記 2017/06/07)
ここでの検討を踏まえて、botでは上記のようにまとめて紹介しています。こちらもご確認いただければと思います。
(追記終わり)
この曲の鑑賞について個人的な話
この曲は今でこそ好きですが,正直言って初めて聴いた時は良く分からない,なんだかたらたらした,盛り上がりに欠ける曲だと思っていました.ですので,馴染みの無い人がそう思うのも無理はないと思います.
「この曲は3回失恋しないと弾けない」なんて良く言われるそうです.それが本当かどうかはともかく,この曲はそんなに分かりやすく「悲劇的」な曲ではないけど,やっぱり「悲しい曲」なんだ,というのは鑑賞のポイントなのかなと思います.
また,この曲は途中を飛ばしたりすると良さが分からない曲の代表みたいな所があります.BGMとしても聴ける穏やかさはありますが,良し悪しの議論に参加するのであれば,ぜひ録音であっても集中して聴いてみてください.
それにしてもこの曲の一般認知度の低さにはビックリしますよね.ショパンの名曲と言えば?とピアノを弾かない人に聴いて,この曲が挙がる確率はゼロに近いのではないかなと思います.まあしかし確かに「渋い」曲なんです.派手な曲はもっといくらでもありますからね….
参考記事
少しでも鑑賞の参考になればということで.
演奏動画
(随時追加)
(多くなりそうなので,動画貼り付けじゃなくて普通のリンクにしようと思います)
- Krystian Zimerman(クリスティアン・ツィマーマン)
よく模範とされるもの.丁寧な感じで表現も凝ってるかな.凄く真面目に「場面転換」してるよね.確かに上手いと思うけど,個人的には,ちょっと眠い(笑).ただ,みんなが一番に推すのも分かるなあという出来だとは思う.
- Dinu Lipatti(ディヌ・リパッティ)
こちらもよく模範とされるもの.録音が古いのが残念.スッキリした感じ.自然と言えば自然かな.良く聴いてた.私にとっては基準の演奏.
- INGRID FLITER(イングリッド・フリッター)
最近聴いて気に入ったもの.私的には暫定一位.ゆっくり目かな.左手が良く聴こえるのが特徴と言えば特徴だろうか?音が良いのも良いかな.最後の方割れてるけども.ラストのゆっくりなところは印象的.自分が弾くならこうしたいと思った.他にも好きなのは,2:47あたりの単音の所で初めて納得感を感じられたのと,その直後の3:03からの所が船をオールでよいしょよいしょと漕いでいるように感じられた事.
- Martha Argerich(マルタ・アルゲリッチ)
健康的過ぎて好きじゃないんだよな〜と思って久々に聴いたけどそんなに悪くなかった.記憶よりは強弱が付いていた.基本速い.あんまりタメがないのかな.誰か一人推すとなって選ぶ演奏ではないな.
- Rafał Blechacz(ラファウ・ブレハッチ)
これもいいな.自然(模範的?)だと思う.音質が悪いのが残念.CDならもっと良いんだろうか.途中ちょっと音量が爆発してしまうのが好みではないかも(それも録音のせいかもしれないけど).6:19の,トリルが二重になる所がタメがなくてオオって感じする.おかげで力入っちゃった感じもあるけど(笑).
- Vladimir Ashkenazy(ウラディーミル・アシュケナージ)
メロディを強めに出しているような気がする.なので聴きやすいけど,渾然一体となったものに乱される,というような感覚ではないような気がする.しかしメロディーが短い単位でぶつ切りになっているような気もするなあ.2拍子な感じというか….トリルがあんまり音量大きくなり過ぎないのは好印象.