サークル新歓時期の奢りについて

これから新学期なのでサークルの新歓時期になるが、そこでの「奢り」について。これについてみんなは明確なビジョンを持ってやっているのだろうか?という事が気になったので、軽く確認してみたい。「お前は全然分かってねー」という意見も歓迎します。

奢りのパターン

まず、私はあんまり人に「奢られたくない」と思う方であり、これは既に小数派かもしれなくて、あんまり参考にならないかもしれない。先輩だからって別に同じ学生同士だし、言ってみれば同じ人間同士じゃないかと。なんで奢ってもらう理由があるんだ?と思ったりする。これはしかし、関係が非対象ならある程度は分かる。例えば、昔は男と女で選べる職業に明確な差があって、収入にも差があったから、デートで食事代は男が女に奢る、という構図は分からなくもない。同じように、収入のある社会人が収入のない学生に奢るのもある程度理解できる。でも根本には「乞食じゃあるまいし、人に奢ってもらいたいと思っていると思われたくない」という気持ちがある。昔はもっと強情だったが、しかし「奢りたい」という気持ちがある場合も分からなくは無いなと思ったので、場合によっては好意を受け取ろうかなという気持ちにもなれるようになった。


はてさて、ここまでの話から、私は「先輩としての威厳を示すため」に奢るという事には結構否定的だと言える。そういう理由で一時期は新歓で奢るのは本当に良い事なのか?と思っていたのだが、新歓で奢るのにはもっと普通で合理的な目的がある。それは「お試し」としての奢りだ。


新歓時期に新入生がいろんなサークルを見て回るとすると、その場その場で費用が発生する。うちのピアノサークルなんかでは夕飯のお金ぐらいしかかからないのでそれがメインだが、サークル本来の活動にお金がかかるようなサークルも多くあるだろう。それを全部新入生に負担させていたら、新入生はいろんなサークルを見て回れなくなってしまう。なので、最初に良さを分かってもらうまでは新入生の負担をなるべく減らそうとして、奢るのである。食事代を奢るというのも案外馬鹿に出来ない。食事というのは人が仲良くなるにはかなり有効なものだ。そこでゆっくり話をすることにもなって、サークルの雰囲気も良く分かるだろう。効果は大きいと思う。もちろん、「合わない」という事を見極めるのにも大きいだろうが。それはそれで結構なことである。


奢りを増やしていくと、新入生に「こんなに良くしてもらったんだし今更抜けにくい」という気持ちを起こさせる事もある。もちろん新歓効果は増えていくだろうが、負担も増えていく。これは、各サークルが「どれぐらい切実に新入生を欲しているか」によって変わる部分だろう。「好意の返報性を期待した奢り」とでも言うべきか?



ここまでをまとめると、奢りにはこんなパターンがある。

  1. 先輩の威厳を示すための奢り
  2. お試しとしての奢り
  3. 好意の返報性を期待した奢り

1は新歓にはあんまり関係ない。2と3は明確に区分できるものではないが、私としては、自分の意識としては分けておくと良いのではないかと思う。なぜかというと、私はこの3の為に奢るという事にはちょっと気持ち悪さを感じるからだ。そう思ってやっている以上、新入生が結局入ってくれなかった時に、不満を述べたくなってしまうではないかと思う。でも2は全然問題無いというか、むしろ積極的にやるべきだと思っている。逆に言うと、「入ってくれなかった新入生に不満を抱かない範囲でやるべき」だと思っているという事になるかな。

新入生側の視点

新入生も、私みたいな「なんとなく奢られたくない」という気持ちの人にとっては、この区分を意識しておくのは有用だと思う。2は合理的でしょ?それに後ろめたさを感じる事は無いと思う。積極的に色んなサークルを回って見て欲しい。べつに一個入ったから他が入れないという事も無いんだし。


しかし、これは特に賛否が分かれるところかもしれないが、私は「新歓時期だから色々回ればタダ飯が食える」という気持ちの人は嫌いである。それは本人に自己申告してもらわないと分からない事ではあるが、少なくともそういう事をして「俺って賢い」みたいな言い方をするのはやめて欲しい。はっきり言って、そういう気持ちの人でも入ってくれたら嬉しいかというとNOである。それはまあウチのピアノ愛好会が人数少ないと困るようなサークルではないというのもあるが。あ、いや、これは私の個人的な見解なので、ピアノ愛好会の公式見解ではないという事は言っておかねばな。

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昔書いたもの。要は色々見て回ると良いよって事。